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~昨日から続く~
↓原稿
(小見出し)
複数の情報伝達ツールを
使いこなせるか
情報伝達のツールもさまざまだ。社内報やイントラネット、
経営陣のブログ、社員総会のようなイベントなど。
そういった各種ツールを上手に使いこなすことも、
総務の役割の一つだろう。
ただ、このような複数の伝達手段をパラレルで
使う際に注意したいのは、
情報が錯綜しないようにすること。
ツールを変えながらも同じことを
ぶれずに発信していかなければならない。
「社内報でも、イントラネットでも、
ブログでも、表現は変えても全く同じことをいう。
そこまでやって、
ようやく理念は浸透するものだと思います」
これもインナーブランディングの発想。
コマーシャルというのはラジオでもテレビでも、
同じ内容をアピールするのが大前提だ。
さらに、上位方針の伝達と同様に、
社員間の情報共有も重要なコミュニケーションの問題である。
「たとえば売れている営業パーソンは、
顧客への提案力やニーズを吸い上げるスキルが、
当然高いわけです。
そういった営業の高いスキルを個人のものとして終わらせず、
みんなが共有すること(ナレッジ・マネジメント)が、
会社の大きな成果につながってくる。
しかし、自分の“職人技”は人には
教えないという囲い込みの文化ができてしまっている企業が、
意外と多いんです」
このような企業風土を変えていける部署があるとすれば、
それはやはり総務である。
囲い込みの文化から共存の文化へ
と変えていくことで、企業は強くなるのだ。
いずれにせよ、
さまざまなツールで情報を発信し、
それがどのように効果を上げているかをきちんと検証することは重要だ。
しかし、この効果検証ということが、
これまで総務部門ではあまりなされてこなかった。
「今、当社では社内情報がどういうふうに伝達され、
どの程度まで浸透しているかということを測るような
アンケートを開発しようと思っています」
情報伝達の効果検証はこれからの総務にとって
大きな課題であり、
それをやっているかいないかで
企業の業績も大きく変わってくるのではないだろうか。
(小見出し)
メリハリのついた予算で
有効なコミュニケーションを
日常の情報伝達に加え、
社内に共存の文化を作るためのイベントとしてまず挙げられるのは、
懇親会や運動会、そして周年行事だろう。
この不況期では廃止せざるを得ない、
という企業もあるだろうが、
しかし、ただ漠然とコミュニケーション費用を抑えることは、
企業が自ら墓穴を掘ることにもなりかねない。
「大切なのは予算のメリハリ」
と大條さんはいう。
「たとえば周年行事でも、昨年もこうだったから、
これくらいの予算でやっておけばいいだろう、
というのではマンネリ化してしまい、
行う意味が薄れてしまいます。
もう一度、それをやっていることの意味を考える必要がある」
コミュニケーションのための各種ツールや
イベントにはそれぞれにねらいがある。
だからこそ、その効果が十分に上がっていないようであれば、
やり方を変えていかなければならない。
「こういう時代でも、
周年行事をやっている企業は結構多いんです。
しかし、その多くはホテルでパーティーをやって記念品を出して……と、
毎回同じことを繰り返しているのではないでしょうか。
せっかく費用をかけてやるのに、これではもったいない。
節目を迎えたときに社員がみんなで、
これからさらに成長していこうと確かめ合える場を作ることができれば、
周年行事は非常に意義深いものになる。
それでこそ、お金を掛けただけの価値が生まれるのです」
株式会社ゼロインでは、
これまでホテルの会場を借りて行っていた社員総会を、
今年からオフィスでの開催に切り替えた。
このことでコストを五分の一に減らすことができたという。
しかし情報は、
これまで通りしっかり伝達できるような工夫をしている。
「オフィスの中にピンスポットを入れたり
ドラムロールなどの効果音を用いたりして、
場を盛り上げる演出を行いました。
またケータリングサービスを利用すれば、
ホテルでやっていたのと同様に
社内で懇親会を行うことも可能です。
総務が創意工夫することで、
予算をかけなくても効果的な情報伝達ができるのです」
このように予算を削減する一方で、新たな試みも。
トップである大條さんの経営に対する思いを映像にまとめたのである。
「社員総会の当日に仕事の都合で
会場に来ることができない社員もいます。
そういう人たちにもDVDを渡せば、
会場にいる社員と同じ密度で方針を伝えられる。
また、映像の場合、
強調したい部分をテロップで出したり図解したりするなど、
より伝えたいことが伝わりやすくする工夫を凝らすことも可能ですし、
その場だけでなく、
あとから何度でも見ることができます。
映像を作るのにコストがかかるとしても、
やる価値は十分にあると考えています」
ホテルの会場費など抑えるところは抑えながらも、
コミュニケーションに有効な部分にはしっかり予算を取る。
つまりメリハリの利いた予算こそがポイントなのである。
「総務の仕事にかかる費用を、
いわば社内を元気にするための
『販促費』だ
と捉えてみましょう。
販促費を使うときには、
つねに費用に対して最大の効果を求めるでしょう。
総務にもその視点は必要です」
(小見出し)
「出しゃばりな総務」が
会社を元気にする
冒頭にもあったが、
総務のフィールドを自分で決めてしまわないことが大切だ、
と大條さんは強調する。
「出しゃばりな総務でいいんです。
自分たちの施策が会社を元気にすることができれば、
そのことが総務部門そのもののモチベーションにつながり、
より会社を元気にするための施策にチャレンジしたくなる。
だから、
総務が元気だと、
その会社も元気になるのです」
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