「月間総務1月号」の
特集に掲載された
私のインタビュー記事を
2回にわたって掲載する。
↓特集記事
これからの総務パーソンに必要な資質とは
(タイトル)
目利き力を養い、踏襲から脱却せよ!
(リード)
厳しい経営環境が続くこの時代、
企業を強くするために、
総務部門に何ができるのか。
そしてこれからの「戦略的総務部門」に
必要な総務パーソンの資質とは、
何だろうか。
(キャプション)
株式会社ゼロイン
代表取締役社長
大條充能さん
(小見出し1)
社内コミュニケーションに
求められる明確な意味付け
「コスト削減は多くの
総務部門の重要な課題であり、
これからもそれは変わらないでしょう。
しかし、コストは売り上げと違い、
やればやるだけ削れる
ものではありません。
つまり、コスト削減による
利益貢献には限界があります」
そう語るのは
株式会社ゼロインの
代表取締役社長、
大條充能さんだ。
総務部門はそもそも、
コストを「使う」部署である。
であるからには、
使うコストの効果を最大限にすることが、
重要ではないだろうか。
大條さんは、これからの総務部門は
経営方針を社内に浸透させること、
すなわちインナーブランディングに
力を入れるべきであり、
そのためには
社内コミュニケーションが肝になる、
と語る。
今回のアンケートでは、
いわゆる“飲ミュニケーション”の効果が
見直されているという結果が出ている
(本誌二〇一〇年一二月号参照)。
それについて大條さんは
「高度成長の時代には、
ただ楽しく飲んで交流するだけでも、
十分社員のロイヤリティや
帰属意識を高められたかもしれません。
しかし現在のような低成長時代には、
それだけでは不十分です」
と手厳しい。
重要なのは飲み会を、
いかに経営方針を浸透させる
場として意味付けられるか、
ということだ。
「たとえば、忘年会などの場で
優秀な人を表彰することがあると思います。
しかしこのとき、
ただ壇上に上げてほめたたえるだけでは、
効果は弱い。
単に表彰するのではなく、
どのようにして成績を上げたのか、
そのプロセスまで示すのです。
参加者が『自分も表彰されたい』
と漠然と思うだけでなく、
『会社が何を目指しているのか』
『どういう行動が評価されるのか』
がわかることが重要です」
つまり、
飲み会を“慰労の場”
から
“やる気を起こさせる場”、
さらには
“実際に行動に移すためのエンジン”
にするべきだということだ。
もちろん、飲み会だけではない。
最近、運動会や社員旅行などの
イベントを復活させる企業が増えている。
コスト削減の観点から、
企業の多くがイベントを廃止してきたが、
最近になって“一体感”を重視する風潮とともに、
再び見直されつつあるのだ。
しかし、せっかくコストとパワーをかけて
運動会を開催しても
「楽しかったね」
で終わってしまっては、もったいない。
そこにいかに経営方針を浸透させる
仕掛けを組み込めるか、
いかに社員に“刺さる”演出ができるか、
まさに総務部門の腕の見せどころだといえよう。
~明日に続く~ |